「研究者のための生成AI活用」を実施しました

 2026年3月18日(水)、三重大学にて「研究に関するコンプライアンス研修会」が開催され、当該研修会の中で『研究者のための生成AI活用』と題した講演を行いました。

 本学の学長補佐(AI推進担当)および生成AI活用検証イニシアチブ(GAUTI)リーダーを務める情報基盤センター白井伸宙助教が講師となり、急速に進展する生成AI技術を研究活動にどのように安全かつ効果的に取り入れるべきか、具体的な実践事例と倫理的・技術的な留意点について解説されました。

講演の主な内容

1. 学内における推進体制と取り組み(GAUTI):
 三重大学における生成AI活用検証イニシアチブ(GAUTI〔ゴーチ〕)の活動が紹介されました。教職協働で進める「自動テキスト化・要約サービス」の構築や、学内教職員向けの情報交換コミュニティの運用など、現場に即した支援体制について報告がありました。

2. 生成AI利用の実態と指針:
 2024年に学内で実施された利用実態調査の結果、多くの教員が研究効率の向上や業務負担の軽減に生成AIの有効性を感じていることが示されました。一方で、科研費公募要領やNature誌等の投稿規程における生成AIの扱い、著作権侵害や情報漏洩のリスクについても改めて注意喚起がなされました。
 調査結果は、下記URL先にてご覧いただけます。
 https://github.com/nobucshirai/MieU_GenAI_survey_2024

3. 実践的な活用テクニック:
 精度の高い回答を得るためのプロンプトの「型(PTCFモデル:ペルソナ、タスク、コンテキスト、フォーマット)」や、思考を言語化する「雑談プロンプト」、NotebookLMを活用した資料読解デモなど、今日から使える具体的な手法が共有されました。

4. 「移動式クレーン」のメタファーによる安全利用:
 生成AIの活用を「移動式クレーン」に例え、自身の専門知識(地盤)が固いほど遠くまでアーム(生成AIによる拡張)を伸ばせるが、地盤が不安定な専門外の領域で重い判断(結論)を急ぐと、転倒(誤情報の拡散や責任問題)を招くリスクがあるという重要な考え方が示されました。

講演を終えて

 講演では、生成AIを単なる「時短ツール」ではなく、より深く考え、研究の質を高めるための「壁打ち相手」として活用することが推奨されました。AI推進の立場から、アクセルを踏むための知識と、コンプライアンスを守るためのブレーキのバランスを保ちながら、今後も学内のAI活用を支援していく姿勢が強調されました。
 当日の講演資料は、以下の「研究者のための生成AI活用」よりご覧いただけます。

<参考>
 大学ICT協議会における発表
  https://wps.cc.mie-u.ac.jp/gauti/aboutgauti/#AXIES2025
 生成AIを活用するにあたってのその他留意点
  https://wps.cc.mie-u.ac.jp/gauti/aboutai/
 生成AIと共創に向けた学びの場
 【学内教職員向けサイト(Sansuiアカウント等によるサインインが必要)】
  https://sites.google.com/mie-u.ac.jp/gauti/home